さなぎの話

こんばんは、森歌です。

題名から分かる通り、虫嫌いな人は見ないほうがいいかもです。




前から書こう書こうと思ってて、結局書かないうちに終わってしまった話。

私は集団住宅の五階住みなんですが、少し前の仕事帰り、私の家がある階段の四階部に緑色した芋虫(長細いと言うより丸い。キャタピー(ポケモン)みたいな形)が現れたんです。
動きはかなり緩慢、というか動いてない。
ちょっと、まだ学生だった時に(多分)ワーム系の虫関係で嫌なことがあったのでワーム系の虫は苦手だったんですが、目に見える位置に居るだけマシだなと、その時は苦笑しながら横を通ってました。
そして次の日、会社に行くため階段を降りるときに通らなければいけない四階。
軽く芋虫探してみれば昨日よりかなり低いかなり微妙な位置に。
やはり動かない。
そして帰り、再び四階。
その芋虫は、朝見た位置でさなぎになってました。
もう芋虫じゃないから平気です(ぇ
そのまま、まじまじとさなぎを見て、本当にトランセルみたいだなぁとか思いながら帰宅。
家族に話したら家族も芋虫には気付いていたらしい。
そして、暫く様子を見てても四階に住んでる人はそのさなぎを駆除するつもりはないようで、そこから毎日行きと帰りにさなぎを見てたんですよ。
あの幼虫って、成虫になったらどんなのになるっけ？
さなぎになってから羽化するまでってどのくらい時間掛かるんだっけ？
まぁ、多分私が家に居るか会社に居るかの間に羽化して成虫見れないだろうけど、立ち会えたらラッキーだな。
立ち会えなくとも、虫って何だかんだで凄いよなぁ……あの幼虫が飛べるようになるんだもんな！

そんなことを一人で思ってたわけです。
そして今週の月曜、朝、いつも通りさなぎ見て会社へ。
そして残業して帰ってきて階段を昇る。
四階まで上り、そのままうっかり通り過ぎそうになって慌てて足を止める。
さなぎ見てなかった！
さなぎ………居ない。
さなぎがあった場所にさなぎが居ない。
何もない。
とっさに周辺の床を見る。
するとそこには、想像通り、さなぎが落ちていた。
思わず凝視。
落ちてても、無事なら大丈夫じゃないだろうか。
……しかし、悲しいことにそのさなぎは中身(内臓的なものでなく、成虫になる途中だった本体)が少し出ていた。
……Wikipedia見て知ったんですが、さなぎの中身って最初はペースト状の液体だそうで。
なのに落ちたさなぎの中身は固形だった。
それって、羽化直前だった、と言うことじゃ………？

凄く悲しくなった。

いや、たかだか虫ですよ。
しかも野生ですよ。
それは分かってるんです。

でも、なんだかんだで羽化するのを期待してたから。
それが死んでしまうのは、とても悲しい。

月並みだが、命は儚い。
あのさなぎには、本当に羽化して空飛んでほしかったな…………